2017-06-27

にぎやかな田んぼ 現地ワークショップを開催!!


平成29年6月27日(火)に「にぎやかな田んぼ 現地ワークショップ」が開催されました。

尾張西部生態系ネットワーク協議会が設立されて、初めてのワークショップとなります。

当日は多くの皆様にご参加頂き、総勢47名となりました。

今回は、皆様が日頃から活動されておりますフィールドを見学し、“水田生態系”について理解を深めます。

また、シンボルでもあるヘイケボタルの生態について学び、生息環境をどうすべきか、参加者の皆様と様々な意見交換をする事で、更なる向上を図りたいと思います。

はじめに、尾張生態系ネットワーク協議会の長谷川明子会長よりご挨拶。

また今回は保全生態学の専門家である名古屋大学の夏原由博教授をお招きし、学術的な観点から“水田生態系”を探ります。

【午前の部】

 

さて、本ワークショップの前半は、一宮市の大野極楽寺公園内にあります、一宮平成ホタルの会様へ伺いました。

一宮平成ホタルの会 伊藤勝英 会長と山本千夏 副会長より、ヘイケボタルの飼育や管理など普段の活動を紹介して頂きました。

 

また、事務局(一宮市 公園緑地課)の加藤重明 様から、木曽川水系の地形と特色ある自然環境、また、一宮平成ホタルの会の立ち上げから現在に至るまでの、生き物の返還について開設して頂きました。

 

 現地がどのような環境なのかを体感して頂くため、水質調査も行いました。

COD:約5mg/L DO:8~9mg/L 水温18℃

とてもきれいな状態です。

 

研修室に場所を移し、夏原教授にヘイケボタルの生態と生息環境について、基調講演をして頂きました。

水田には、約5700種の生き物がつながりを持って生きていることや、ヘイケボタルだけではなく他の生き物のことも考えて進めなくてはいけない点など多くの事を学ばせていただきました。

 

一宮平成ホタルの会では、将来的に水田造成計画が検討されており、今回のワークショップでは参加者の皆様や専門家と共に経験や知恵を活かした提案をして頂き、水田造成計画に寄与する事を目的としております。

5つのグループに分かれて今後の自然環境をどうすべきか検討し、それぞれを発表して頂きました。

結果、非常に素晴らしい提案が多数あがりました。

 

最後に、夏原教授に総括して頂き午前の部は終了となります。

 

今後も、一宮平成ホタルの会様の更なる発展発展をお祈りいたします。

【午後の部】

本ワークショップの後半は、稲沢市にあります、祖父江のホタルを守る会様へ向かいました

はじめに祖父江のホタルを守る会 山内晴雄 会長 理事長より、環境保全型水田(実験田)と祖父江地区におけるヘイケボタルの生息状況について紹介して頂きました。

 

実験田には、多くの生き物が生息しており、中には絶滅が危惧されている種も確認されております。参加者の皆様には、実験田の水路で生き物採取や水質調査をして頂きました。

フナやメダカなどの魚類、ドジョウ類、エビ類、カエル類など非常に多くの生き物が確認されました。

水質は、COD:20mg/L DO:8Mg/L、水温24℃

藻類の影響なのかCODが高めな結果が出ました。

絶滅危惧種に指定されているナゴヤダルマガエルも生息しており、尾張西部地域の魅力を肌で感じて頂きました。

現地調査後は、山内理事長の活動発表となり、ヘイケボタルを守るためには、生息環境だけでなく人間の意識改革が重要である事を解説して頂きました。

 

最後にワークショップの振り返りとして、長谷川会長・夏原教授・鷲見副会長から総括を頂きました。

ヘイケボタルの生息環境は、自然的な要因だけでなく人為的な要因も密接に関連してくるため、双方から保全を考える必要があるとされました。

今後も祖父江のホタルを守る会様の更なる発展をお祈りいたします。

 

今回の「にぎやかな田んぼ 現地ワークショップ」では、一宮平成ホタルの会と祖父江のホタルを守る会2つの地域にて検討会や調査を行い、尾張西部地域の“水田生態系”の重要性について理解を深められました。

 

尾張西部生態系ネットワーク協議会では、今後も、様々な機会を通じて人とのネットワークづくりを醸成し、尾張西部地域の“水田生態系”の保全と、魅力を発信して行きたいと思います。